しばらく更新が滞ってしまいました。
前々回、アドリブの悩み、ということで「弾きすぎ」の人が多い、でも弾かない、ということは案外難しい、ということを書きましたが今回はその続きです。
歌を歌うことを想像してみてほしいのですが、歌、というのはひとまとまりのフレイズがあって、そのあとブレスをして次のフレイズの固まりを歌って、またブレスがあって、、という風に続いていくものだと思います。
ブレスをしないと息が続かないわけで、これは当たり前のことのようですが、ピアノのような楽器を想定した場合、これが当たり前にならないのです。つまり、息継ぎなしにフレイズを延々と弾き続けることができてしまう、ということです。
息継ぎなしにダラダラと続くメロディというのは、印象が取り留めのないものになってしまって、言いたいことが聴き手に伝わらなくなってしまいます。
歌を歌うのと同じように、フレイズを弾いて、ブレスをして(間をあけて)そしてまた次のフレイズを弾いて、という風に続けていけば、人に伝わりやすい音楽になるのではないかと思います。
こう書くと、今まで弾いてきたアドリブフレイズは全てやめなければいけないのか、と思われるかもしれませんが、それはそうではありません。
うちに来られる方で、息継ぎのないアドリブを聴いていると、途中で「あ、ここで一旦弾くのをやめてブレスしたらいいのに」という瞬間がたくさん見つかるのです。
つまり弾いている内容はそのままで、弾き止める瞬間を見定められるようになって、そこでしっかりやめて間をあける、ということができるようになればいい、ということです。
そういうふうにフレイズを切ることができると、アドリブのメロディがしっかりと浮かび上がってきて、聴く人にもわかりやすい印象を与えることができると思います。